蜜は流れ、昆虫は激増し、歯がはえた太古のトカゲ=鳥の子孫たちさえ奇妙に姿を変えた。昆虫とはじつは変換された花蜜(ネクター)にほかならなかった。

投稿者: kibakoichi

hana

この(白亜紀の)爆発は、動物生命にも影響をおよぼしていた。新しい食物源に対して専門化した昆虫のグループが出現しつつあり、それらは偶然に、そうとは知らずに、植物を受精させるようになった。

花は咲き、いっそう大きく、はなばなしい多様な外見のもとに咲き乱れた。あるものは夜のかすかな光の中で蛾を誘うよう薄い色をした非現世的な夜の花で、あるものはたとえばある種の蘭のように雌の蜘蛛のかたちをしてさまよう雄をひきつけ、あるものは白昼の光に赤く燃え上がり、あるいは草原でつつましくまたたいた。複雑なメカニズムが、花粉をハチドリの胸にはねちらし、あるいは花から花へと勤勉にうなり飛ぶ黒い蜂の腹に押しつけた。

蜜は流れ、昆虫は激増し、あの歯がはえた太古のトカゲ=鳥の子孫たちさえ奇妙に姿を変えた。噛みつくための歯ではなくつつくための嘴を手に入れたかれらは、種子をついばみ、昆虫を飲みこんだが、昆虫とはじつは変換された花蜜(ネクター)にほかならなかった。

「花はいかに世界を変えたか (How Flowers Changed the World)」

ローレン・アイズリー

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